性依存

何なんでしょうね

したくもないセックスを求め

終わればイライラして

寝れなくて

呼吸をするだけでまとわりついてくる暑苦しさ



部屋の匂いも

消えてく金も

訳がわからないまま過ぎてく夜も

全部が当たり前になりすぎて

ぷかぷか浮かぶ自意識が

ゆるりゆるりとタイムリミットをぼやけさせていく



体液の臭いも

血液の責問も

感じなくなった

ただただ渇望



死にたい 

とすら考えず

飛び降りることができない自分が



なにもしたくない

なにもしたくない

誰か

なにもしたくないんだ



人生を浪費する為に

無駄に愛欲を繕って

アルコールにのたうち回って




最後の記憶は

薬飲んだこと

お酒を飲んだこと

床にぶつかったときに痛みがなかったこ

通りすがりの人が倒れた姿を見て騒いでたこ

頑張って立ち上がって逃げようとしてたこ


逃げられなくて救急車に乗ったこ

ベッドのカーテンが橙色だったこ

病室かどうかもわからない場所だったこ

気付いたら家の布団にいたこ

次の日の記憶が無いこと




セックス依存は切れたこ




その翌月

ぼくはもう一度お酒と薬を飲む


それからの記憶はほとんど無い

アパートの近くの塀に持たれながら歩いて

エレベータで階を上がったところ知り合いに見つかったのは知ってる





なんで死んでおかなかったんだ