昨晩のこと

睡眠薬を冷やした緑茶で滑らせる
30分
力抜けてくるまで待つ

いろんなことを考えてしまうよ
明日は何をしたらいい
耐えられるだろうか
逃げられるだろうか

プツッ……ブブブ…ッツ……………

耳鳴りよりうるさい静寂を裂いて流れる
沈黙のノイズのような勿切りの音
環境音に溶け込む自然界には無いエフェクトが
「ここにはない」なにかを現している

カクッ……ッキキキッ………ブツッ……ピキキッ…………

意識が融解してしまうようだ
眼球の上が透明になって浮かび上がり
宙に舞う静電気に流されく

どこに行くのかわからないけど
心配はしていない
離脱した彼はいつの間にか顔面を覆うように戻るだろう

その時問いかける
何処に行ってきたの?
「過去の中学校に行ったよ」
「初恋の人に会いに行ったよ」
「すごく怖い釜の中に行ったよ」
たまに教えてくれなかったりする


ピキ……ブツッ………ッツツン………ブブブ……


キンッ………


そろそろ薬が効いてくる
明日なんて来ないで
って静かな声がうるさいくらいに願っている