記憶増えても記号に変わると
解りながらも
この頃は
>disc
>error
いつまで思い出すんだろう
なんでなにもできなかったんたんだろうとか
今からでもやり直したいとか
別に今更付き合いたいとか考えてはいないけど
でもやらなかったことをずっと後悔してるのは
無意味で
やらないことは後悔になるという大切な勉強になったのに
それを活かしもせず
後悔を生かし続ける
あの頃の自分はもう息をしていないのに
後にも先にもあんな人は現れないだろう
悪いところも良いところもお目にかかれないだろう
そんなふうに諦めて置いてきぼり
今ならそんな悪いとこも愛してみせるさ
とかいう嘘もついてみたくなる
変わってなかった成人式の彼女の姿はもうほとんど思い出せない
人混みの中でまっすぐこちらに歩いてくる様々な彼女の姿がリフレインして
メリーゴーランドのように回る背景を負って
近付いてくる
別棟の廊下で歩く彼女
図書室の黒板から歩く彼女
教室の隣の席に向かって歩く彼女
偶然道端で会った高校生の彼女
マンションの階段を下りてくる私服の彼女
中学校の前で和装して歩く彼女
二人だけの部屋で手を握ろうと歩く彼女
告白を待って手の届く距離に立っている彼女
告白を拒もうと嫌々な顔をして立っている彼女
日に日に薄れて
同じ形に日焼けした混凝土が
彼女の顔をぼんやり映している
あれからずっと
なんでなにもしなかったんだ
いや触れてしまったら壊してしまう気がして
怖くてできなかった
壊してしまうなんて思い込み
自分だけの理屈も理由もない自己保身
恋愛をすることは託し託されることなのに
自分だけその荷を避けてた
今改めて付き合いたいわけじゃないけど
もう一回
やり直せるなら
やり直せたなら
どうなるかな
今度はちゃんと自分を正当化して別れられるのかな
なんて
あの頃と同じ痛い文章を書いてる
もうすぐ初めて付き合った彼女と別れてから10年になる