friend-s-hip



水と油
虹色に煌めく
水面を木の棒で
掻き回す
けれど
混ざらない浮かぶ

君は友達、
そう言ったのは君
僕はそんなこと思ってなかった
そうだ、
いつもソレに違和感があって
なんか違うって
そうじゃないって

エイの羽ばたく
真珠の水底から
見上げてその乱反射を
ただ見ていた
ただ羨んでいた
この色の世界でも
上手く立ち回る君を


時には蒼い
時には茶色い
息を吸ってまた潜り込む
頭を出す
油に浸す
作業員のヘルメットが覆う

ああ、ああ
君の困り果てた声を
僕はただただ寂しくって
そうだ、
それは僕が生きた代償だって
僕が出来ることは許すことだけだって
僕はなにもしてなかった

迷うことなく
海流で昼寝する
その様が憧れしくて
タダで欲した
駄々をこねてた
許し続けてる日々、でも
許してほしかった


その線を越えたろう
警戒を聞いたろう
けたたましく鳴り続くサイレン
排他水域を
潜り越えたら
息を吸いに海面に上がれば
僕は蜂の巣で
すぐに沈んでいった


その目に最期に
捉えた遊泳は
ビート板なんてなくても
スイスイと進む流線
そして何にも気付かないで
蒼の向こうに消えてくから
いらなかった
僕なんていらなかった
君は友達、
そう言ったのは君
僕はそんなこと思ってなかった
思ってなかった

思いたかった
他力本願の愛