誠実




わたしは不誠実なことが嫌いだが
わたし自身誠実とは程遠い人生
性格だ

真面目で
真心がある

それが誠実



たくさんの嘘をつき
たくさんの他人を利用し
まともに向き合うことから逃げ続けた
本当に汚い人間

なのに
わたしを表面で見ている人たちはみんな
真面目や優しいと

優しさってなんだろう

怖さの表に潜むものなんだろうか


わたしは今後も逃げ続けるんだろう
人を守るフリをして自分を守るんだろう
自分のことなんていい
もう話さなくてもいいから
あの人が傷付くのが怖い
そう言って逃げるんだろう
その場の人の感傷に堪えられず
持論を押し付けるんだろう
感情を投げて見て見ぬふりをするんだろう


わたしは優しくなんかない
ただただ怖い
自分が傷つくのも
誰かが傷つくのも

考えてる内に気軽に笑えなくなった
わたしが笑ってるときに
誰かが泣いている



わたしの命で誰かの幸福が得られるなら
わたしが息を絶って他人の笑顔になるなら

それすらただの逃げでしかない
知ってる


生きていてごめんなさい
なんて醜いんだ
この欲望も
なんて醜いんだ

誰かを巻き込みたくない
自分の愚かさに
あなたが悩む必要なんて無いのに
「大丈夫」なんて言わないで
忘れたいことが大丈夫なわけない

それに向き合えない
それを隠せない
わたしはなんて弱くて卑しいんだ
自分のせいなのに
なんて厚かましいんだ
人を助けたいなんて
偉そうなことを言うなよ


大丈夫じゃなくてもいいよ…


不誠実でごめんなさい
あらゆる心配をしながら正気を失って
結局相手に忘れたいことをさせて
何をしてるの?


恥知らずになれたら
誠実なんて無かったら
下衆だけを持てたなら
初めから出会わなければ
いなくなってしまえたら

この身の毒で誰も傷付かない場所にいられたなら