とある人の話



眠る前瞼の裏でマネキンが私に口を開く
聞き心地のいい声で私に言いつけるの
「もうサヨナラだ、今までありがとう」
今夜も行き場のない意識が浮かんでく

生半可だった感情があなたのせいで直立したのに
あなたは無自覚でほっぽり出して私は喚き散らすの
「好き」を返してなんて言わないけど掻き回された感情が
首を縦に振らないのは私への罰かな

散々その場しのぎの妥協してきた
今が楽しいならそれでいいって言ってきた
正気に戻してくれたあなたがいて
そんなあなたに恋をしたら
いろんな人に投げて放っていたブーメランが
今返ってきて同時に私に突き刺さる

反省なんてしてこなかった
後悔したけど自分の為の後悔で
今更あなたに顔向けなんてできなくて
それでも駄々こねて
私みっともなくてごめんなさい
本当にもうやめたい
やめたい
でも信じてくれるわけない
そうだよね、わたしもそう思う


それでも好きなんです
好きになってごめんなさい
それでも好きなんです
いなくならないで…


夢の中でふわっとマネキンが苦笑いで私に言う
「今までありがとう、もうサヨナラだ」


今日も眠れないんだ
あの時寄り添ってくれた人も私が壊して
あの時聞いてくれた人も私が突き放して
なにやってるんだろう
なにやってたんだろう
ごめんなさい
好きです
ごめんなさい


きっとまた私はこれを隠す為に
また傷を重ねるんだよ
わかっているのに自分が変わらないんだ
変える努力をしないんだ
それもわかっているんだ





aiko

花火



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「疲れてるんならやめれば…」
花火は消えない
涙も枯れない