ワルツ




羨ましいよみんな
やりたいことも行きたいとこも
会いたい人も聞きたい声も
楽しみにしていた新譜だって僕にはあった
今となってはどうでもいいんだ
昼下がり会社からの電話を無視して
青天井が爽やかに映った
心臓は10歩に1度ドクンと鳴った

閑静地に喧騒が鳴っている
馬鹿みたいに忙しなくしている
有って無いような約束の時間を思い出そうとする度
頭の中で火花がバチバチ煩いんだ
接合しようとしてるのか
どうせ繋がりはしないさ
そう吐き捨てて俺は集合場所に歩みを進める

もう項垂れるしかない
あれだけ腰を据えていた立派な椅子だって
ただの飾りでしかなかったんだから
いやポーズだ
わたしは強い気でいただけなんだ
箱の中の自分を見たときには
見透かしてくる真っ直ぐな瞳が怖かった
だけど彼の為に何かしなきゃいけないんだ
彼が自分であるから
彼が自分でなるから


約束の時間になれば景色の良い場所で
狭苦しく演目の幕が上がる
そうだ、僕達の円舞曲だ
この世を高いところから見渡しながら始めるの
音楽は其れに似合わない四拍子ならどうだろう
だめかなぁ

約束の時間は午後7時
終電には間に合わせて見せるよ
そんなにかからないだろ
すぐ終わってくれるよ