壁紙



壁は返事をしません
壁に描かれた肖像画も応えません
そういうものだから仕方がない

リアクションのない壁に呟いたとこで
壁に感謝なんてしないでしょう?
返事のない背中に話しかけ続ける子供も
いつかは諦めてやめてしまうでしょう

負のスパイラルが始まるのはここから?
そんなことわかりません
誰が悪いのでしょうか?
その時誰しも決して自分だと答えたくない

腫れ物を避けて
沈黙を続けている

わたしの姿も壁紙のひとつに過ぎないのでしょうか