幼稚園みたいな建物の近くで、
諦めたような目付きをしながら、
寂しそうに物欲しげっていた。
「名前はなんて言うの?」
知っていながらも聞いてみた。
視線を変えず前を向いたまま、
僕は小声で、僕の名前を呟いた。
僕は小さく溜め息をついて、
僕に小さく語りかけた。
「伝えられないことばかりだよね。
だけどそれを聞いてくれる人はいる。」
でもそれに全部任せないで
それに全てを委ねないで
自分の口で言わなきゃいけない時がある
そう伝える前に携帯のアラームが鳴り響いた
もし
PARALLELの僕がいて
僕の言葉でなにか変わるなら
伝えておきたかった
諦め切った瞳に
孤独に震える影に
僕は何を言えたんだろう
何も言えなかったけど
伝えるなら何を伝えただろう
伝えられないことばかりだよね。
だけどそれを聞いてくれる人はいる。
だからどうしようもなくなったら、
口に出してもいいよ。
大丈夫、邪魔なんかじゃない。
大丈夫。
そんな言葉をくれたのは
その遥か彼方後ろにいた僕だ