オトコだって




日を跨いだセミダブルのベッドの上
分析が掻き乱したら炭酸が抜けた
嫌気が貫通して血を流したとて
悲しくなるのは快楽に溺れられない浮き輪のせい

錠剤を日に日に増やしたって
状態はヒリヒリ摩擦が痛いし
もしお前じゃなかったら、って考えさせないで
誰でもいいわけじゃないんだ、って信じさせて

オトコだってウンザリするのさ
オトコだって浮気が怖いのさ
オトコだって脅されたら辛いのさ
オトコだってデリケートな部分なのさ


なにも考えずに腰を振れる奴を
白い目で見ているふりして
その白は本当は真珠なのかもしれない
輝かせて憧れているのかもしれない

ただ寂しくて死ねるのなら
どれだけよかったんだろう
今望んでるのは真実の愛やくつろげる場所じゃなくて
なんでそれを望んでるかってコト

オトコだって崩れ落ちるのさ
オトコだって病んで逃げるのさ
オトコだって悩んでるのさ
オトコだって重なるのが嫌なのさ


ビニールの音も
思いがけない刺激も
時間のかかる体勢の変更も
好きにならなきゃいけない心を育む
『好きにならなきゃいけない』
なんて身近にある
なんて冷たいものだろう
額に貼られて熱を奪っていく
もう残ってなんかいない


オトコだって
オトコだってウンザリするのさ
オトコだって浮気が怖いのさ
オトコだって脅されたら辛いのさ
オトコだってデリケートな部分なのさ

オトコだって崩れ落ちるのさ
オトコだって病んで逃げるのさ
オトコだって悩んでるのさ
オトコだって重なるのが嫌なのさ

オトコだって性が怖いのさ
オトコだって嫌になるのさ
オトコだって大切にしたいのさ
オトコだって浮気したくないのさ