セフレ


一人だけの部屋で
夜の黒色の空気を
横たわって夢の中に陥るのを待っているとき

自分しかいない部屋で
遠い騒音に耳を傾け
起きたがらない身体を起こせるのを願ってるとき

誰かが部屋にいる気がする
それを確認しようと考えると
ここに誰もいないことに気づく
自分が一人のことに気づく

週2で訪れる虚無感の所存は
滅多に口を開かない一人分の置時計が
いない誰かを捜しているせいで
たまに見つけたら
罪悪感をお土産に帰ってくる
誰のせい?
言わなくてもわかってる


筋肉痛は覚えてて
チクチク肌を刺す陰口は
他の何処でもない
僕の中から聞こえてくる

目蓋は焼き付くように熱く
涙袋は痺れを切らして
眼窩に化粧品を塗りたくられる隈
隣の寝息が苦しい苦しい苦しい苦しい


必ず訪れる罪悪感の代償は
どうだい、無責任を二等分できたかい
いない誰かに罪はないよ
もう二度と見たくない
そうやって言い出したのはお前なのに
誰のせい?
わかってるだろ


眠れないで訪れた窓の外の明るみ
街が動き出す音が再び遠くに聞こえて
左脳が影に怯えて
昨日に戻れたら
右脳が震えている
昨晩に戻れたら
ここにはいない誰かを妄想して気がつく
一人になりたかったことに気がつく