生きたい


「死にたい」「生きてる理由がない」「自分の価値がわからない」
もう聞き飽きたと思うが
それに抗う声も溢れているが
わたしはまだまだ死にたくて
あの人がくれた「生きたい」錯覚も
どっちが麻酔だったかもわからないくらい消えた

いつか死ぬことに藻掻くくらいなら
素直に受け入れた方が潔いような気がするけど
違うんだな
死ぬことが怖いのが普通みたいだ
知らなかったよ神様

もう知っているんだ
「生きたくない」
それが答えだ
生きる為のリスクを考える程に
「生きない」ことのリスクを選びたくなる
だから刑務所の馬鹿の気持ちもわかるよ
今ならもはや味方だ
わたしも犯罪予備軍

生きる為に楽しむことを死ぬ気で
全部を握るように走り回って追い掛けてたら
あらゆる者に置いていかれて暗闇の中で佇む
そんな夢を見た
汗だくで起きたんだ

夢でよかったか?
現実はどうだ?
何も変わりはしなかった
あの人の声が聞きたい
この人の横で笑いたい
たくさんの意見が知りたい
わたしの物は奪われたくない
一人にはなりたくない
全てを得ることなんて出来やしないんだ

夢から覚めたわたしはそんなこと知ってるんだ
でも夢の中を無邪気に走ってるわたしは
まだまだまだまだそんなこと信じらんねえみたいだ
もういい、夢から覚めろ、夢の自分

夢は現実ほど優しくない
現実は夢ほどわかりやすくない

生きる為に選んだのは
愛される為に愛する素振り
貰った感謝の言葉は
今日も明日も昨日も
生存の裏側で空振りし続ける
全てが本物なら全てが欲しいから
全部偽物であってほしいくらいだな

「生きたい」
もうそんなこと諦めてくれ
「死にたい」
もうそんなこと諦めてくれ
わたしたちは「死んだように生きるしかない」


微かに見える綺麗な景色をシャッターに収める
まだ肌寒い風を受けて季節の変わり目を撫でる
川で泳ぐ白鳥に癒されようと見つめ続けいる
舞い降りる愛の証は当て付けかもしれない