冬雲

 

灰より濃く

黒より薄い

冬の空に漂う雲は

冷たい予感と白い息を

吸い込んではなんでもない顔をする

 

浅い呼吸も

淡いお願いも

何にもない顔して頭の上を通り過ぎていく

 

僕より気まぐれに零す雪に

不満は言えやしないから

マスクとポケットで文句を全部抑え込む

 

風がびゅおっと吹き付ける

冷たい吐息に顔を歪める

僕は何も言えない

常に風に曝され続ける

それでも僕は何も言えない