ポエム?

湾岸飛行出航準備星雲行き

獲物に飛び込もうとしている猫みたいに 夜の片隅にしゃがみ込んでる いつか月へ高く飛びたい 空へ舞うための翼はないし 宇宙へ跳ぶための創造力もないけど 星とビルの間の雲の手前で 見上げた街の生きる明かりと 見下ろす星の遠い瞬きを 僕のものにしたいの …

冬雲

灰より濃く 黒より薄い 冬の空に漂う雲は 冷たい予感と白い息を 吸い込んではなんでもない顔をする 浅い呼吸も 淡いお願いも 何にもない顔して頭の上を通り過ぎていく 僕より気まぐれに零す雪に 不満は言えやしないから マスクとポケットで文句を全部抑え込…

フィクションと片思い

どれだけ努力をしても 叶わない宝物があるって どこかのドラマで言ってた どんなことも地道に1歩ずつ そんな名言を信じていたら 私より先に踏み出してた人に先を越された 時間がたくさんあったとしても 賞味期限は待ってくれなくて 不味くなった結果に 苦虫…

王者の権威

結局 私 は冷たくてナイフを持った人間みたい。 わたしに認められるのは、誰かに八つ当たりしてる姿だけみたい。 優しさも怯えも、認めてはくれないみたい。笑えてくるわね。彼女の存在はそういう役割だったみたい。 そう、私よ。 椅子は何度壊しても直るわ…

Arsonist

半田鏝を布に当て狩り 焦げ焼き付いて捲り上がる黒煙の薫りを 燻る覆い被るような形を指で摘まむ 空を裂く 突如地を失った足元みたいに 擦り落ちていく 軈て火種が手を挙げて 仲間に肩を組んで拡がっていく 少しずつ取り返しが着かなくなる生は蝕まれる 安ら…

元カノ

崖は手を握って登って 夜の商店街は不品行らで それでも僕らは近づきすぎないように 遠すぎないように その距離がどうも煩わしかった だけどそうするしかなかったそうだろう だってもう僕たちは 疑り合うことさえする間柄じゃないだからさ 夢にも出てこない…

寿命を迎えようとするスマホ

自分の足で歩くのにも ちょっと疲れちゃったから 電車やバスに乗って移動するけど その先に待っているのは やらなきゃいけない宿題や仕事が積もってて 結局歩かなきゃいけない道だって途中にはあるよね バッテリーの寿命を迎えようとする スマホがゆっくりと…

サンライズ

イヤホンを外した スマホから目を離した 花びらを落とす桜と 不意に囀ずる鶯散ってしまう前に気づけてよかった 春の気配に白く空を埋める模様 陽が昇り夜を染めるよう 足を止めて見上げてた 自然に溶け込む暖かな頬の色 落ちた花びらは 無機質なコンクリート…

ブロックノイズ

それは偶然に懐かれ それはわたしの中に住処を作る わたしが弱いから そんなこと知ってる暗闇の中で見失う線香花火の光 触れたくて手を伸ばせば火傷もする それなのに憧れを捨てられない必然か運命か導かれ そしてわたしの隙間に寝床を作る 揺さぶられ目覚め…

Exit

出口を探す為に彷徨う日々にある日思い付いた わかりきった目指すゴールへ向かう理由がいるのか!? この場所で空の雲を眺めるのは案外嫌いじゃないかも どうせ旅の終わりなんて無いんじゃないかな!?床屋のサインポール 横に回ってるだけでなんだかんだ向…

君が消えて一ヶ月経った

君が消えて一ヶ月経った 短い髪を翻す映像が都合よくリピートして なぜだか退屈を望んでいる 急いていればいつか召される虚像を いまだ掴もうと自分の吐いたCO2で暖を取って 透明な時間を待っている精々した気分と裏腹に 生前に存在していた 最愛の人を待機…

怪物

24時を指す時計の針を音が 鼓膜に揺さぶりをかける 睡魔が耳を塞いで怯える頃に 奴はやってくる軋む階段を上り 屋根裏の戸を叩き 蝶番の窓口に噛み付くその姿 Monster ヤツを見つけたらすぐに気づかれる 眼の隙間から頭の中に入り込まれるさ 起死起死と笑っ…

flog

最初の記憶は暗い廊下を歩いて リビングに向かっていた幼き日 ブヨブヨのゼリーに包まれていたことなんて 知らなかったし知りたくなかった半人前になった踵を 無くなった尾を思い 無数にも見えた中を泳いできたんだろう なんで?祝日が重なる日曜日は 感謝を…

うずくまる

暗い液体の中から抜け出す時を待ってたら 息苦しい気体の濃霧に落とされた 今もこうして固体に包まれて膝を抱えてる 踞っている「子宮にいた頃を思い出して落ち着く」 誰かはそう言う なのに肉親が憎いのだ それならば私達は本能で護られるべき帰巣を望んで…

ペデストリアンデッキ

「今年も終わるよな」 35km/hで走るイルミネーションを見ながら 隣で君が呟く 「早いよね」 目新しいことあったかな?なんて耽って 僕がそう返す君のお気に入りの曲の口笛が 乾燥した風の五線譜に乗って 僕の中で煮え立つコーヒーの 缶と手すりがユニゾンし…

kiss marked

牙、髪、頸動脈に 蒼い、黒い、専属摘出 個々、何処、記憶喪失で 朝焼けのタクシーの運転手さえ唾を吐く鎖に繋いで 大層な首輪が 酒焼けした喉を冷やしていくね 痛いはずが嬉しくて 居たいはずが苦しくて 何も見たくなくてタオルで覆った青い鳥も芝生も本当…

なごやん

なごやんおいしい もったりした甘い生地に 中に白あんみたいなやつ こぼれた粒まで全部 なにあれおいしいおばあちゃんのおみやげ 直径5センチ(多分)のキューピット 大事なとこを打ち抜いた ミワクの恋心だよ なごやんおたかい 物心を植えつけられて 幼い水…

まぶた

目をつむって太陽を向いたことがあるかい 赤くて暗い色が見える 瞼の裏を眺めてる空の青さを説明するときになんて言えばいいんだろう 賢い人に聞いてみたい 何で説明するの 数字?喩え?感覚?ルービックキューブは人付き合いのようで 同じ色に合わせるのは…

クロスドミナンス

その昔、左利きは呪いだと正される風習があったという 世の中右利きの有利のように作られているのでその方が生きやすい 現代に生きる僕らも似たように悩まされているもんだ 平均を最適解としてそこに意地でも近づかせようとするそうして異常と普通の境界と基…

爪切り

わたしたちが 仕組みも知らないままに 使っている危うげなものがある 電子レンジでなんで温かくなるのか 煌めく板がなんで電気を作るのかルールブックなんてない 川に小石を投げて向こうの方まで飛ばしたら勝ちだとか 自分が納得する目標を建てて 生きる生き…

昨晩朦朧とした頭で書いてた文章

今日は変な夜だ 落ちていきそうで落ちていかない こぼれそうでこぼれない水滴のような街灯と月明かりがわたしを照らしてる こんな夜に隣に落ち着ける誰かがいてくれたらと思う そしてたまたまあなたが側にいる寄り添いながら小さく明滅する鉄塔の赤ランプを…

ランドルト

17歳くらいから視力が落ちて 今は眼鏡をかけてる でも眼鏡が好きになれなくて 必要なとき以外は外してる見えすぎても疲れるし 見えなすぎても見ようとする いちいち嫌いなものに触りに行くみたい ばかみたい、気持ち悪い 眼鏡をかけてから見た世界は いろん…

夏の溜め池

大好物のチョコ味のホームランバー 32℃を記録した温度計 燦々照りつかして溶ける 甘美な甘味に涎が垂れて ソイツを肴に麦茶を飲み干す蟀谷(こめかみ)を伝う暑さの象徴 ワイシャツで拭う薄汚れた袖口 揺蕩う水面に波乗る灯籠 白日の空より高くなった夜の道を…

4秒のクロノスタシス

秒の単位で行動を見たときに 水溜まりに張った氷を踏んで割るように脆く 速く進む世界の自転に驚く 音楽プレイヤーで選曲しているうちに 25回動いた秒針が 同じ数だけ脈拍数を切り刻んでいく考えれば考えるほど陥っていく いつの間にか経過していた4秒間を …

夏を連れ去る雨

「ゲリラ豪雨にご注意ください」 昨晩夕飯終わったテレビの時間帯 気付いたら8月の半ば 結局何もできなかったなまたな生暖かい夜風に アルコールを混ぜて馬鹿騒ぎしたのも 半年前のことのようで 東雲を漂う引き潮に模した曇天昼下がりに降り出した豪雨が 夏…

蒼く灰色の空

曇ってた 雨な降りそうで 傘を持って歩く人たちがたくさんいて いつもより少しひんやりした風が吹く8年前から最寄り駅の横に咲いてる薔薇 錆びた駅名の看板を水色の縁で囲んである 年季の入った雲が空を泳いで 電車には4色の傘を抱え寝息を立てるOL薄く青い…

特別扱い

僕の名前はマスロ。石油を食べて生きてる。 あれの名前は車。石油を食べて生きてる。石油はもったいないから早くいなくなれってよく言われる。 でも車も食べてるのに言われないんだ。きっと僕が愚図で使い物にならないから。だから僕は死にたいってよく言う…

悲しいこと

生まれながら飢餓に苦しむこと 苦しまない人がいること戦争の惨憺を味わったこと 何も知らない顔で過ごす人がいること理不尽な責められ方をされること 笑って過ごしてもらえる人がいること初めて羽ばたいた小鳥が食い殺されること やっと手に入れた餌が小鳥…

Our

ツイッターで呟くときの気持ちは ウォークマンで全曲シャッフルするときの気持ちに似てて どこに至るかもわからないのに 自分の気持ちを相手任せにしている 勝手に理解してくれる場を探してるふりするそして結局そんな相手見つからなくて 妥協していい感じの…

Kick

バスドラム ハットトリック ムエタイ 鏡の向こうに響く軽快な音誰かには怖い 迫る 見たくない この部屋から追い出す機能を地球が大きなダンスホールなら それはもう足場の悪いところだろう 地につかず宙にふんわりふわふわしてる逆方向へ 動き出す プレート …